放射線部門

放射線科では検査に対する安全性の確保、具体的には検査を受診される方のお名前の再確認から、被ばく防護を考えた検査の実施、MRI検査や造影検査において検査を受ける方への徹底したリスクチェックによる検査実施の適合性の確認、また検査実施中の安全確認と造影検査を受けた後の注意事項の口頭および文書による徹底したガイダンスを行っています。

上記安全性確保の上、診断価値の高い画像情報を提供できるように、技師一同日々技術の研さん(内外の教育研修)につとめ、また各種検査用医療機器の管理や整備を行っています。

当院の理念である「やさしさと 思いやりと 機敏さをもって」をモットーに検査にのぞんでいます。

できるだけ検査の際の「不快感」を取り除く改善策を講じています。例えば、どうしても撮影室まで移動できない入院患者さんの胸部ポータブル出張撮影において、従来、背中に差し込んだフィルム・カセッテは「冷たく」「痛かった」・・特に歳をとって背中の骨が出て、そこに冷たく堅い板の上に自分の体重がかかって・・。下図のようにクッションの付いたホルダーを探して導入しました。導入使用後は「冷たい」「痛い」の苦言や「顔のゆがみ」がでることがほとんどなくなりました。また下記のデジタル撮影透視台も「冷たい」「堅い=痛い」を除去する改良をしました(撮影台に敷かれている青いシーツ状のものがX線の障害陰影にならない、セミ・ディスポタイプのクッションシーツです)。

2012年6月には撮影台も右図のようなクッション付きのものに変更しました、さらに2012年8月には転落防止用のベルトを作成して、動きが予想できない患者さんの転落防止を防ぐように改良しました。

 


トピックス 
大腸CT検査(仮想内視鏡検査)ができるようになりました。

「注腸様画像」「仮想内視鏡画像」「仮想病理展開図」すべてCT撮影データから作成されます。

数年前から大腸CTの研究・治験に取り組んできました。最大の特徴は注腸検査や大腸内視鏡検査に比較して、下剤等の薬剤の飲用量がすくなく、正味10分から15分程度のCT検査で終了する、受け易い検査です。撮影線量も最新の被ばく線量低減ソフト(逐次近似法応用)を搭載した当院のCTにて、通常の腹部CTの10/1位の線量で撮影できますので、健康な人の大腸がんスクリーニング検査としても十二分に使用可能です。がん化するリスクが出てくる6mm以上の大腸ポリープの検出は内視鏡と同等とされています。

実際の検査の流れ

検査2日前の夜、消化の良い夕食を取って頂き、その後に、普通の下剤1mlを服用します。翌日(検査前日)から朝食・昼食・夕食は検査食をたべていただきます。午前中位から、ゆるやかな便となりますので、水分をたくさん取ってまめにトイレにいっていただきます。夜、前日飲んだ下剤の効き具合から、同じ下剤をどの程度飲むか、ご自分の体調に合わせて、決めて服用していただきます(詳細は検査工程表に記載されています)。また腸管洗浄剤(オレンジジュースのような甘い飲み物です)をマグカップ(250ml)に溶かして飲んで頂きます(先ほどの下剤を入れて)

検査当日朝は、便があっても識別するために、ほんの少し苦味がある(水道のカルキ臭が強い程度)薬をマグカップくらい(250ml)の水に5mlいれて飲んで頂きます(前日もこの薬の服用があります)

当日、午前中早めに来ていただいて、排便をしっかりして頂いて、排便状況確認後(水様性茶色便)、11時位に検査予定となります。専用の検査着に着替えていただいてCT室に入ります。撮影台に寝ていただき、お尻から数ミリの細い管を5cmほど挿入しでバルーン(微小風船)で固定します。あとは二酸化炭素(空気の130倍の吸収力のため、後でお腹が楽になるのが早い)で大腸全域を膨らませます。痛みはなく、どちらかというと、便がでそうなムズムズする感じがつよくなってきますが、バルーンで肛門をふさいでいますのでもれることはありません。ガスが規定量入りましたら、位置決め用の簡易撮影でガスの入り具合を確認して本撮影(25秒の息止)となります。撮影は腹ばいと仰向けの2回あります。

撮影後は、ガスを少し抜き、管をはずしますので、トイレにいってガスと水様性の茶色便を出して頂きます。あとは着替えて検査終了です。

撮影したデータは上の画像のように専用ワークステーションで画像処理をして(数千枚の画像データとなります)診断にまわされます。検査を受ける側は楽ですが、検査後、技師による画像処理・解析と医師の診断に手間暇がかかります。

撮影当日は検査後も下剤が効いていますが、人によっては翌日まで効いている場合があります。

マンモグラフィ検査について

「マンモグラフィ検診精度管理中央委員会」の精度管理に準拠した、装置精度管理・撮影・読影をしています。
認定医2名の二重読影を実施し、さらには自治体での読影委員会にて第三の読影をする場合があります。

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